これをしてくれるなら、事業費117億円の「アニメの殿堂」を作ってもいい。

1、アニメ動画原稿や漫画原稿の管理
アニメプロダクションは中小零細がほとんどで制作は常に人手不足。1話30分で3000枚にも及ぶ動画をきちんと管理することはほぼ不可能に近い。出来上がった作品のマスターテープの管理すら怪しいプロダクションはたくさんある。だからアニメの素材を管理する倉庫としての機能はどこかで必要だと思う。
漫画については小学館が漫画原稿失くして雷句誠先生に訴えられた事件を見ればわかるとおり、超大手出版社でも管理はずさんだ。であれば、アニメの殿堂に管理してもらう方がまだマシ。

2、著作権の管理と作家への著作権料の徴収と分配
アニメ業界のテレビ局、広告代理店による中間マージンの抜き方が問題になっている。しかしそのせいでプロダクションによる中間マージンはあまりクローズアップされない。アニメーター、声優等すべてのクリエイターはほとんどプロダクションから外注されるフリーのクリエイターだが、監督以外印税が支払われることはまれである。。
国をあげての事業というのであれば、ネット流出や海外の違法アップロードを取り締まり、多数いる制作者に印税を正当に分配できる機関としての機能は果たしてほしい。
今、アニメの殿堂について問題になっていることとして、事業費(建設費)以外にアニメの上映につき国がプロダクションに支払わなければならない著作権料(運営費)がある。
もしも著作権料の徴収という面倒な仕事をしてくれるのであれば、その対価として、上映のライセンスを与えるというのであればどちらにとっても得である。
もしJASRACのように行き過ぎた搾取をしたとしても、国の機関であればマスコミの目や国民の批判は向けられやすいし、著作権料徴収と印税の分配をしてくれるのであれば、一切仕事しない広告代理店に中間マージンを抜かれるよりは100倍マシである。なぜ日本の売れているミュージシャンは大金持ちかというと、カスラックと呼ばれて批判されてはいるもののJASRACが管理徴収して、不当な中間マージンを排除してくれたお陰である。日本の売れているミュージシャン並みに日本の売れてるアニメーターが大金持ちになってもいいじゃないか。

3、国立のアニメ・漫画学校の併設
動画マンが我慢して年収100万で仕事しなければ成り立たないという今のアニメ業界のビジネスモデルはどう考えてもおかしい。
しかし、だからといってアニメ業界のお偉いさんが言うように国が補助金を出してナントカするというのも絶対間違っている。
もしクオリティを下げたくないなら、この際人海戦術でやらなければいけない「動画」は海外で作るということしかビジネスとして成り立たなくなっていると思う。
でもそれだとアニメーターが日本国内で育たない。じゃあどうするか
はっきり言ってYやVのような専門学校の1年や2年ではたいした技術は身につかない。国立でアニメ・漫画学校をつくり、一流の講師を招き4年ぐらいのスパンで生徒に一からアニメを叩き込めばその卒業生はいきなり海外の動画マン、原画マン使って作画監督から始められる。そうすればキャリアのスタートから年収300万以上にはできると思う。
プロダクションはインターンとしてその学校の学生に動画を格安で描かせることも出来る。アニメの殿堂はその運営費を税金だけではなく学費から徴収することも可能。

4、労働法の指導
とはいえ、正直言ってアニメプロダクションの経営者は学が無い人が本当に多い。今までの価値観で労働力を安く使うことが身にしみている経営者は結局学校で技術を身につけた人でも安く使おうとするだろう。労働基準監督所のように受身ではなく、プロダクションに積極的に労働法の指導を働きかけて業界の労働状況改善に務める機関としての役割がほしい。

もしこういう上記の機能が果たせるのであれば、作っていいのではないかと思う。私は別に麻生太郎が好きではないが、麻生支持の人はそう思わないだろうか?
もしアニメやそれにともなうグッズの海外売り上げが117億円を超えるのであれば、むしろ作るべきであると思う。